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- 夜、新聞のテレビ欄をみているボク。
「テレビばっかりみてるとバカに磨きがかかるぞ、あゆ」
「うぐぅ・・・でも、ボク、テレビ7年間みてなかったから」
「そんなの理由にならん」ペチッ。祐一君が頭を叩く。
「痛いよ〜、祐一君」
ボクは、またテレビ欄に目を戻す。・・・え〜と、8時からの番組は、と。
あ、この番組はどうかな?
「これなんかおもしろそうだよ。動物の結婚100連発だって」
ボクはみんなに言ってみた。
「あ、かわいい〜。わたしも見るよ」そう答える名雪さん。
あ、あれ、祐一君は・・・ちょっと考えたあと、笑い出した。
「あはははははっ。・・・見たいのか。あゆ」
「う、うん・・・」
「名雪もか?」
「うん、そうだけど・・・?」
「そうだなあ、2人が必ず全部見るというなら見せてやるかな・・・いつもは、俺と秋子さんは
大河ドラマを見てる時間なんだから」うう、大河ドラマはイヤだなあ・・・。
「わかった、よくわからないけど全部見るよ。うん」ボクは気軽に返事をした。
「なんか、大げさな話しだね?でも、いいよ」名雪さんも、とりあえずうなずいた。
祐一君が秋子さんに尋ねる。
「秋子さん、今みたいなことになってしまいましたけど、いいですか?」
「了承」秋子さんがそう言って微笑む。
「そうですね・・・。じゃあ、その番組中、わたしはあゆちゃんと名雪を見ていましょうか。ウフフ・・・」
・・・秋子さん、なんで笑うのかなあ?
8時、TV番組が始まった。司会者とゲスト出演者の会話が一通り終わると、司会者が言った。
「では、かわいい動物たちの結婚を、どうぞごらん下さい」VTRが始まった。
あ「パンダの結婚」だって・・・
画面に檻の中のパンダ2頭が映る。
「あれ?ウエディングドレスを着ないのかなあ・・・パンダのお嫁さん」
ボクは、画面を見ながら言った。
「残念だけど、着ませんよ」微笑む秋子さん。
パンダ2頭は、ガフガフ言って、お互い周りを歩き回る・・・。う〜ん・・・?
『さあ、2人とも相手が気に入るでしょうか?』とナレーション。
画面では、パンダたちは相手に吠えたり、ときどき相手を威嚇している。うう・・・なにこれ。
『さあ、いよいよ結婚です』とナレーションが入る。どきどき・・・。
画面を見て、言葉を失うボク。
「あの、こ、これは・・・」
パンダさんが・・・へこへこと腰を、腰を・・・あわわわわ。
ボクはあわてて、周りを見る。
赤面してうつむく名雪さん・・・。一方、微笑んでボクをじっとみる秋子さんと、邪悪な笑顔の祐一君。
「さあ、全部見るんだぞ、あゆ。『約束』だぞ」・・・うぐぅ。祐一君にやられた・・・。
「鹿さんの結婚」ううっ。
「犬さん」ううっ。
「ライオンさん」「馬さん」「豚さん」「羊さん」「熊さん」「鳥さん」「ペンギンさん」
「くじらさん」「シャチさん」「へびさん」・・・・・・うぐぅ。
「ううっ、ごめんなさい」わけもなく、ボクは謝った。
そして、仕方なく・・・画面を見つづけた・・・。
そうか・・・結婚ってこういうことなんだ。・・・ボク・・・結婚やめようかな・・・。
1時間後。
とても満足そうな秋子さん・・・。
「名雪もあゆちゃんも、とてもかわいかったですよ」そう言ってにっこりと笑った。
祐一くんも楽しそうだった・・・。
「あゆ、よかったな。かわいい動物さんの結婚が見られて」
2人ともひどいよ・・・うぐぅ。
あれ、名雪さん。泣きながら何かつぶやいている・・・?
「動物さんはみんな・・・後ろからなんだね・・・」
そ、そうだったね・・・。
「わ、わたしも、動物さんなのかな・・・」
わ、わけわかんないんですけど・・・。
「ひどい・・・初めてだったのに、ひどい」しくしく・・・。
・・・うぐぅ。
そ、それって何のことなの、名雪さん・・・。ねえ、何のことなの・・・?
END
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